クロップライフジャパン ニュース
2026年賀詞交歓会を開催
クロップライフジャパンは2026年賀詞交歓会を1⽉6⽇(⽕)12時半から、東京・千代⽥区⼤⼿町の経団連会館にて開催した。出席者は会員各社の他、農林⽔産省などの関係府省、(独)農林⽔産消費安全技術センター、関係団体、報道関係者など約330名であった。岩⽥会⻑から挨拶があり、続いて来賓を代表し、農林⽔産省消費・安全局局⻑の坂様からご挨拶をいただいた。
2026年クロップライフジャパン賀詞交歓会挨拶
クロップライフジャパン
会長 岩⽥ 浩幸
明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、ご家族ともどもお健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。さて、新年早々のご多用の中、クロップライフジャパンの賀詞交歓会にご参加いただき、誠にありがとうございます。皆様とともに新年をお祝いできることを大変うれしく思います。
昨年2025年は、国内農業にとって厳しい一年でありました。夏の平均気温は平年対比で2.36℃高く過去最高となり、昨日発表された年間平均気温も+1.23℃で、2023年からの3年が観測史上トップ3になりました。一方、集中豪雨による農業被害は全国で数百億円規模に達したともいわれております。被害にあわれた方々に心よりお見舞い申し上げます。2026年の天候予想も、夏ころまでラニーニャ現象が続く模様で猛暑と多雨が予想されており、引き続き注意が必要です。

また、米価が前年に比べ上昇し米の増産が求められた中で、この厳しい猛暑は、品質確保の観点からも深刻な課題となりました。病害虫ではイネカメムシや斑点米カメムシ類の警報・注意報の発表件数は前年比で増加し、農薬の重要性が一層高まった年であったと思います。最終的な作況単収指数は102、11/30現在の1等米比率は75.7%とまずまずの結果なっており、適切な現場対応において、生産者の方々をはじめ関係者のご尽力が、功を奏したものと考えています。
当会調査による2025農年度の国内農薬出荷金額(確定値)は3,853億円で、前年比5.5%の増加となりました。減少傾向が続いていた出荷数量は前年並みであったが、製造コスト上昇等に伴う価格の改定や防除需要増が市場を支えた構造が鮮明となりました。世界市場に目を向ければ、農薬市場規模は2024年の約700億米ドルから2029年には778億米ドルに達する見込みであり、年平均成長率は約2%と、今後も安定的な成長が見込まれています。
こうした情勢の中、政府は昨年4月「食料・農業・農村基本計画」を閣議決定しました。基本計画では、食料自給力を確保するため、防除ニーズに対応した農薬の確保が目標に掲げられ、2030年に向けた今後5年間で新規農薬の登録で30、化学農薬の使用量低減(リスク換算)10%がKPIとされています。このため、再評価を円滑に実施すること、農薬登録制度の国際調和を一層推進すること、優先審査の仕組み等を活用し新規農薬や生物農薬が速やかに上市できるような取組を推進するとされています。再評価につきましては、昨年8月に第1号となるチフルザミドが、10月にはブタクロールが、そして12月にはエスプロカルブが終了し、それぞれ3年8ヶ月、3年10ヶ月、3年6ヶ月を要しました。そういった中で昨年4月には審査システムの改善も行われており、安全性を確保しつつ、より円滑な再評価の実施が引き続き望まれております。
さらに「食料供給困難事態対策法」においても、農薬は肥料や飼料と並び特定資材に指定され、供給途絶を防ぐための安定供給の責務が問われています。
私たちクロップライフジャパンは、こうした政策的要請に応えるべく、「基本計画」や「みどりの食料システム戦略」に沿い、会員各社とともに研究開発投資を継続して強化しておりイノベーションに結びお付けたいと思います。そうした背景もあり日本の農薬創薬力は、世界のトップクラスにあると自負しています。
一方、昨年5月には当会ホームページを全面的にリニューアルし、若年層や知的探求層に向けた新規コンテンツを追加いたしました。食・環境・作物保護・テクノロジーを軸に、社会との対話を深める基盤を整えております。また科学的根拠に基づく正確な情報発信は、農薬に対する誤解や不安を払拭し、消費者との信頼関係を強化するための重要な取り組みであると考えております。
国際的には、EUの「Farm to Fork戦略」に象徴される環境負荷低減の潮流が続く一方、農薬使用量を50%削減する規則案(SUR)は農業者の強い反発を受け、2024年に欧州委員会が正式に撤回し、事実上頓挫しました。国内外とも資材価格は上昇、エネルギー価格も高止まりし、農業の持続可能性と競争力の両立が問われています。 当会としましてもCroplife Internationalや日韓台三姉妹会等との連携を通じ、規制情報や技術課題を共有し、国際的な協力体制の強化にも努めております。
本年も「新ビジョン」に掲げた「日本と世界の食料安全保障、持続可能な農業への貢献」を実現すべく、政策と技術を結びつけ、社会的責任を果たす活動を積極的に推進してまいります。農業の現場に寄り添い、環境にやさしいイノベーションを創出し、安心な食生活を支える社会の実現に向けて全力を尽くしてまいります。
結びに、本日ご参加いただきました各団体、会員各社の益々のご発展と、ここにご列席の皆様方のご健勝、ご活躍をお祈り申し上げますとともに、本年が明るく充実した年、午年ですから飛躍し実り多い年となりますよう祈念いたし、私の挨拶とさせていただきます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。ご清聴有難うございました。
